こどもは大人になるまでの間にたくさんの病気に罹ります。軽いものから 重いものまで色々です。今回は症状を取り上げて、どのような対処方法があるか検討してみましょう。
こどもの平均的な体温は何度くらいでしょうか。それはお子さんによって個人差があります。37度以上は全て病気というわけではありません。特に小さいお子さんの場合は、体温をコントロールする機能が未熟なため、 まわりの温度(環境温)にも左右されます。普段よりも多少高めの体温であっても、 本人の機嫌、元気がよく食欲もあれば心配はいりません。
また、夜間に突然の発熱を認めると、どうしても心配になり、夜間救急などに駆け込んでしまいます。確かに恐い病気の始まりである可能性もありますが、解熱剤(常備してあると安心です。)を使用し、身体が少し楽そうになるようなら、朝まで様子をみることも可能です。翌日午前中には、若干熱がさがっていても、早めにかかりつけの病院に受診して下さい。
お子さんの痙攣は、親御さんをびっくりさせるものです。顔色も悪くなり、眼は一点を見つめ、身体をガクガクさせているのを見ると、平静ではいられなくなります。生後1歳前後から就学頃まで、高熱に伴う痙攣を経験するお子さんは少なくありません。
ただ、2回・3回と繰り返す場合や、痙攣の時間が長かった場合、痙攣後に一過性の麻痺があった場合などは一度検査を受けることをおすすめします。(検査とは頭部CTや脳波です。)
また、繰り返すお子さんの場合、ダイアップ座薬の予防投与を行うことがあります。37.5℃くらいで1回目を使用し、その後高熱となるようなら8時間後に2回目を使用します。この方法でだいたいのお子さんの痙攣は予防できます。ただ、ダイアップ予防投与を行っても痙攣を認めるような場合は救急で医療機関に受診してください。
嘔吐の原因は色々あります。一般的に子供は吐きやすいものです。たとえば新生児期には嘔吐は頻繁にみられます。ゲップが足りなくて、こみあげる空気とともに嘔吐することもしばしばです。哺乳力、体重増加が良好であれば心配はいりません。
次に乳幼児期にこわい嘔吐として、「腸重積」という病気があります。この病気は嘔吐のほかに腹痛、血便を伴うことが多いです。ただ腹痛といっても、言葉で訴えることができない場合、機嫌が悪く、時間をあけては、急激に泣き出すなどは注意するサインです。血便も浣腸をして初めてわかることもあります。繰り返す嘔吐、不機嫌、顔色不良などあったら、迷わずに医療機関に受診してください。この場合も入院して、高圧浣腸という処置が必要となります。それでも戻らない時は開腹手術が必要となります。